公開日 2017年05月25日 09時52分

起業家インタビュー

新しい“何か”を始めるみなさんへ

スタートアップスクエア・インキュベートマネージャー
もりほんや代表 森平太氏
vol7

絵本の専門店もりほんや 代表 森 平太(もり・へいた)

1983年生まれ、浦添市勢理客出身。野球少年だった森平太さんは、強豪校として知られる浦添商業高校に進学。卒業後は季節労働者として名古屋で1年間働いたのち、県内の運送会社に就職しました。その後25才で結婚。29才で長男が誕生したのを機に本格的に独立を考えるようになり、それまでまったく経験のなかった教材販売会社の営業職へと転職します。転職先で絵本販売のノウハウや保育の現場を学ぶかたわら、家計を維持するために、夜はカフェでのアルバイトを兼業。カフェで定期的にやらせてもらうようになった読み聞かせイベントが注目を集めるようになり、2016年6月、絵本の移動販売という画期的なスタイルで起業しました。
 

はじめて息子に読み聞かせをしたとき「楽しい!」と。その感動を多くのひとに伝えたくて移動本屋をひらめきました

 

独立することを前提に転職しようと思った理由は

絵本購入のお客様を接客する森さん
 

高校で野球を断念してからは何となくだらだらと過ごしていたのですが、21才の時に今の妻と知り合って、きちんと就職しようと運送会社に入りました。でも、若いころから「俺はぜったい社長になれる!」と漠然と思っていたんですよ(笑)。子どもが生まれて、自分や家族の将来を考えた時に、僕が起業するとなると何もないところからのスタートだなと覚悟しました。教材販売の仕事なら、息子のためにもなるはずだと思ったのがはじまりでした。

 

教材販売はまったく未経験のお仕事だったそうですが…

絵本「くだもの だもの」



保育園へ絵本販売の営業に行くことが多かったのですが、本のことも保育現場のことも、最初は何も知りませんでした(苦笑)。会話のきっかけを作るためにも保育士の方々に子育てのアドバイスをもらうようにしていたのですが、ある保育士さんに「読み聞かせをするといいよ」と言われ、はじめて息子に「くだもの だもの」という本を読んであげたんです。その時の息子との時間が本当に楽しかった。あ、これだ!とひらめきましたね。本を通じて親子でコミュニケーションすることの楽しさをたくさんのひとに知らせたいと思ったんです。

 

なぜ書店ではなく、移動販売という事業形態をとったのですか

移動販売用バイク


実は転職して給料が減ったので、夜はカフェで働くことにしました。そのカフェの店長に読み聞かせイベントを提案したら、定期的にやらせてもらえることになったんです。イベントのことをSNSなどで発信すると、だんだんと注目を集めるようになり、松本市長が顔を出してくれたり、メディアからの取材を受けるようになりました。そこから、店舗を構えてお客さんが来るのを待つより、イベントに参加するなどで自分から積極的に外に出て、おすすめの本を提案していく方が僕には合っているし、これなら起業できると思いました。
 

開業までの流れや資金繰り、現在のお仕事の内容は

子どもたちに読み聞かせを行ってる森さん
(写真提供/子ども虐待防止オレンジリボン運動「mammy’s マーケット」)
 

教材販売の仕事をやめて開業までは1ヶ月足らずで、資金も50万円ほどでした。妻の反対を押し切って、たいした準備もできずにまずは起業したというのが実情です(苦笑)。最初は十分な収入がなかったのですが、個人に書籍を卸してくれる東京の会社と契約し、クラウドファンディングで移動販売用のバイクを買う資金を募るなどして、だんだんと形にしていきました。今は、学校に営業に行ったり、定期イベントで読み聞かせをしながら絵本販売をしたり、幼稚園や保育園でトークライブなどもやらせてもらっています。

 

今の思い、そして今後やってみたいことは

もりほんや オススメ絵本情報



絵本の総合カタログは年一回の発行なので、毎月の新作や話題作などを知らない方も多いんです。僕は絵本の専門家の立場から、旬の情報もしっかりフォローし、子どもたちのコミュニケーション力や感受性の幅を広げられる本を提案していくというのを信条にしています。今後は絵本専門士の資格を取って、今以上にイベントも企画していきたいですね。経営も軌道に乗ってきたので事務所を持とうかと考えているのですが、妻も「そうなったら私も手伝おうかな」なんて言ってくれてます(笑)。

 

独創的なアイデアで開業された森さんから、みなさんへアドバイスを!

移動販売用バイクに乗る森さん
 

絵本販売は、僕がはじめて命をかけてもいいと思えた仕事。でも、出版不況の時代に本屋を始めるといったら、え?、と驚いたひともいます。それでも僕の中には根拠のない自信があったというか(笑)…。頑固になるのは違うと思いますが、自分で自分を信じることは大事だと思います。自分の中で「これだ」と思えるひらめきを信じて、じゃあ、それを実現するためにはどうしたらいいか。コミュニケーションの中から答えが見つかることもあるはずです。

 

企業紹介

絵本購入のお客様を接客する森さん

 


絵本の専門店もりほんや
事業内容:出張絵本販売・読み聞かせイベント、セミナー等の運営
開業年:2016年
TEL:080-1709-8494
BLOG:http://morihonya.ti-da.net/
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