公開日 2016年08月05日 14時05分

起業家インタビュー

新しい“何か”を始めるみなさんへ

大豊アグリ代表取締役社長・長崎氏
vol1

株式会社大豊アグリ 代表取締役社長 長崎秀則(ながさき・ひでのり)

沖縄県宮古島市で生まれ、浦添市で育った長崎さんは、産業廃棄物をあつかう会社でサラリーマンとして働いていました。もともといつかは起業したいという思いを持っていた長崎さんですが、44才の時に意を決して個人事業主として独立。現在は浦添市安波茶にオフィスを構えています。県内の農家に委託して生産しているブランド豚「甘熟島豚」の卸販売のほか、とある出会いがきっかけで、ラードを使った化粧品の製造販売にも着手しています。そんな長崎さんの起業の経緯についてお話をうかがいました。

やる前からできないとは考えない、言わない。やるためにはどうしたらいいのか、それだけを考える

ブランド豚の委託生産・卸販売がスタートということですが

大豊アグリ・豚


20代のころに宮古島で食べた豚肉がとてもおいしくてね。農家さんの「飼育期間が長いと脂身が甘く、おいしい肉質になる」という話がずっと記憶に残っていました。サラリーマンを辞めたときに、その味を自分で作ってみたいと思ったんです。契約農家さんの努力もあってすばらしい肉質に仕上がったのですが、当初は無名のブランド。販路をみつけるのがなかなか大変でした。 「やる前からできないとは考えない、言わない。やるためにはどうしたらいいのか、それだけを考える」と自分に言い聞かせながら、ようやく今の精肉業者さんにたどり着きました。それからは徐々に販路も広がり、今では飲食店や精肉業者を中心に、毎月100頭以上を販売できるまでになりました。

ラードを使った化粧品の製造販売にいたった経緯は?

大豊アグリ代表取締役社長・長崎氏


2013年に「徳洲会病院 こくらクリニック」の渡辺信幸院長と出会ったことがきっかけです。先生は当時まだ関心の薄かった糖質制限食を提唱されている方で、豚肉を食べることで健康になれるという見解をお持ちでした。いろいろとお話を伺うなかで、先生が豚のラードを床ずれなどの皮膚疾患の改善に利用していると知ったんです。しかし、食用ラードには独特の臭いがあり、女性には敬遠されがちだとも。農業を始めとする沖縄の一次産業の発展にもっと貢献できないかと考えていた私は、その問題を解決して、専用の製品を作りたいと手を挙げたのです。


化粧品開発は精肉業とは違った分野。ご苦労もあったのでは?

大豊アグリ・化粧品


主原料であるラードを仕入れることから、それを使った化粧品を作ってくれるメーカー探し、何度もサンプルを作っての成分配合まで、製品が形になるまでに2年くらいかかりました。さすがに心が折れそうになりましたが、やはり根本に持っていたのは、精肉卸販売の時と同じ「やるためにはどうしたらいいのか、それだけを考える」という気持ち。自社ブランドの「ポルコ」シリーズが店頭に並ぶようになった時には感無量でした。


現在の目標は?

大豊アグリ・化粧品

ポルコシリーズは沖縄産のシークワーサーを香料として使用しており、サンプルを使っていただいた方からも好評をいただいています。今後は販促物やWEBなどで、県内外に向けて販路を拡大していくことが目標ですね。沖縄の持つ魅力、沖縄の食材の良さをしっかりと世にアピールしていかなくてはと思っています。そのためには、質のよいものを作るのは当然ですが、本土の企業にも関心をもってもらえるようなブランディングも大切。本当の意味での地域ブランドを創生し、一次産業、ひいては沖縄全体を大きく豊かにできるような企業に成長できればと思います。


頼もしいビジョンをお持ちの長崎さんですが、起業を考えている方にメッセージをお願いします。

大豊アグリ・農家
写真:「甘熟島豚」を生産している糸満市の「嘉数ファーム」の嘉数雅人さん

まずは何をやりたいか? なぜ企業するのか?というモチベーションを持つこと。自分の得意分野で世の中の問題解決ができないかと考えると、意識を強く保てるのではないでしょうか。実績や経験がない場合は特に、まわりの人の意見を聞きながら、人とはちょっと違うことに挑戦してみる。たくさんの資金や従業員がいなくても、人とのつながりを大切にすることで、いろいろな助けやアドバイスをもらうことができるはずです。

企業紹介

大豊アグリ事務所


株式会社 大豊アグリ
業務内容:豚肉の卸し・ラードを使用した化粧品の製造販売
開業年:2012年
TEL:098-917-0299
住所:沖縄県浦添市安波茶2-5-7-201
WEB:http://www.porco-skin.com/