公開日 2015年11月08日 15時48分

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例えば飲食店の創業ステップ

例えば飲食店の創業ステップ
飲食店は、創業の手段として比較的身近な業種だと感じている方も多くいらっしゃるかと思います。
実際に飲食店を開業される方は多く、厚生労働省のデータによると、全国に70万店舗超の飲食店があり、沖縄県内でも29,000軒を超える飲食店が営業されています。
特に沖縄県の飲食店は、人口1万人あたりの店舗数として全国1位の210軒となっており、2位の東京都の152軒、3位の長野県が150軒と比較すると、60軒以上も多い数字となっています。
一般的に飲食店は、約3年で全体の20%のお店がつぶれると言われており、非常に競争の厳しい業種です。
その様な業種において、他府県よりも店舗数の多い沖縄県は、まさに、飲食店の激戦区であると言えます。
創業の手段として身近に感じられる飲食店ですが、このように非常に厳しい業界ですので、創業にあたっては、やはり、しっかりと計画を練って開業する必要があります。無計画に開業すると、確実につぶれてしまうということを肝に銘じ、当サイトでご紹介しているスタートアップスクエアの支援を上手に活用しながら、素敵な飲食店をオープンされてください。

準備期間

飲食店の開業には、「飲食店を始めたい!」と考えてからおよそ3年~5年の準備期間が必要です。準備期間では、
  • 開業費用の貯金を始める
  • 同じ業種のお店で働いて、飲食店経営のノウハウを蓄積する
  • 調理の技術を磨く
  • 必要な資格を取得する
といったことに取り組みながら、開業に向けて着実に準備を進めていきます。

飲食業経験者

飲食店で働いた経験のある方は、飲食店の経営手法について知っている方もいらっしゃるかもしれません。 しかしながら独立開業すると、
  • メニューの検討や仕入れ
  • 調理
  • 接客
  • スタッフの教育
  • 日々の売上・利益の管理
など、一人で多くのことを担当することになります。
飲食業経験者の方でも、これらすべてのことを経験されていない方もいらっしゃるかと思いますので、ご自身の経験をチェックして、未経験の仕事がある場合は、それを担当できるお店で経験を積まれることが重要です。

飲食業未経験者

飲食業未経験者の方は、開業を希望するお店と同業種のお店に務めて、飲食店経営に関する全般的な知識と経験を積むことが必須です。 準備期間を3年~5年と定めて、開店資金や経営ノウハウ、調理技術、資格などの取得や習得に努めてください

飲食店の開業に、どのような費用が、いくら位必要なのかを把握する。

飲食店の開業には、店舗の取得や改装などにかかる費用として、物件取得費や内装工事費、厨房設備工事費、店舗で利用する備品や食器の購入費、従業員を採用するための求人採用費、店舗の物件選びやオープン時の宣伝費用として、市場調査・販売促進費などの費用がかかります。また、店舗の改装や開店準備中にかかる空家賃など発生します。

ある調査では、小さなカフェなどの開業費用として、平均1,500万円ほどかかっているという調査結果が公表されています。

次に表に、小さなカフェをオープンするケースの参考として、20坪、座席数24席、家賃10万円と想定した場合の開業費用のサンプルを掲載します。開業時は、これらの費用に加えて、お店が軌道に乗るまでの間の運転資金として500万円ほどを加算し、合計2,000万円ほどの資金が必要になってきます。

開業費用の例を見る

飲食店の開業に必要な資格を把握する。

飲食店の開業には、次のような資格が必要となります。それぞれ、短期間で取得が可能ですが、準備期間のうちに忘れずに講習を受け、資格を取得しておきます。

開業に必要な資格の例を見る

飲食店の開業に必要な申請を把握する。

飲食店の開業には、次のような申請を行う必要があります。営業時間帯や開業の形態などによって申請すべき内容が異なってきます。

開業に必要な申請の例を見る

もっと詳しく話しを聞きたい方、学びたい方は本サイトの創業相談窓口より創業支援スタッフへお問い合わせ下さい。または直接スタートアップスクエアへお越し下さい。
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コンセプトを決める

準備期間の中で、飲食業のノウハウを蓄積しながら開店したい店舗のコンセプトを少しずつ決めていきます。
コンセプトとは、
  • どこで
  • 誰に
  • 何を
  • どのように
売るのかといった、具体的な店舗の形態を決めることです。
多くの飲食店の中からお客様に選ばれて来店してもらうためには、しっかりとしたコンセプトが重要になってきます。
例えばパスタを食べたいというお客様は、沖縄そば屋さんには来店しません。
また、パスタを食べたいお客様にも、沖縄そばを食べたいお客様にも来店していただきたいからと欲張ってメニューをそろえると、洋食屋さんのような内装の店舗で、お客様が沖縄そばを食べるという、違和感のある店づくりとなってしまいます。
中には、お客様が求めるのであれば
「パスタも沖縄そばもメニューに揃えても良いのではないか?」
と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、お客様はメニューだけでなく、店内の雰囲気も含めてお店を選ばれます。
パスタを提供するのなら洋食屋さんの店構え、沖縄そばを提供するのなら沖縄料理屋さんの店構えといったように、提供するものと店構えを一致させることが大切です。
加えて
  • 家族連れに来てほしいのか
  • 若いカップルに来店してほしいのか
  • 店舗内での提供だけにするのか
  • テイクアウトやデリバリーも行うのか
など、対象とする客層、料理の提供方法や出店エリアや立地、店舗の規模などについても決めていきます。

頭の中に思い描いているお店のイメージをコンセプトシートとして明文化する。

開きたいお店のイメージが、頭の中でなんとなく思い描けているはずです。そのイメージを、出来るだけ具体的に、コンセプトシートとして書き表してみます。

コンセプトシートには、「なぜ」、「何を」、「どこで」、「誰に」、「どように」売るのかといったことを整理して書き出します。コンセプトシートを作成することで、お店のイメージがより具体的に整理できますし、簡易事業計画書を作成する際の想定売上や想定コストを算出する根拠としても使えます。また、店舗の立地や物件を選ぶときに、探索条件がぶれず、イメージに合った店舗選びの手助けにもなります。

参考として、小さなカフェのコンセプトシートの例を示します。

コンセプトシートの例を見る

簡易事業計画書を作成する

お店のコンセプトを決めたら、次に簡易的な事業計画書を作っていきます。
事業計画書には、開業時に必要な初期費用と開業後の売上と経費を予測し、簡易的な損益計算書を作成していきます。
飲食店の場合具体的な初期費用としては、
  • 物件取得費や店舗の改装費
  • 厨房機器や備品の購入費
  • 食器や消耗品
  • レジスター
などを計上します。 また、開業後の売上予測は、「客単価×1日客数×営業日数」から算出し、
経費の見積りについては、
  • 食材費
  • 人件費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • その他諸経費
  • 借入金返済額
などを計上します。

コンセプトシートをもとに収益があげられるか、簡易版の事業計画書を作成する。

簡易版の事業計画書は、売上予測と想定コストを算出し、売上からコストを差し引くことで、ひと月当たりの簡易的な損益計算書を作成していきます。

売上の予測は、「客単価×1日の客数×営業日数」から算出します。飲食店の開業で、漠然と目標月商を設定する方がいますが、これでは、一日当たりの来店客数や、一日の売上目標が分からないため、経営状況の把握と改善が難しくなります。売上予測は、必ず、客単価と1日の客数から、1日当たりの売上予測を求め、それを積み上げることで、ひと月当たり売上予測を算出します。

また、売上予測は、繁盛店となることを想定した目標の売上(上位)と、標準的な売上(中位)、お客様が想定通りにいらっしゃらなかった場合の売上(下位)の3段階に分けて算出します。

開業後、お店がすぐに軌道に乗るとは限りません。お客様に来ていただき、常連のお客様が付き、売り上げが安定するには、開業から1年くらいはかかるものです。その間、最低限必要な売上額を把握し、経営状況に応じて、売上改善のために販促活動を行ったり、仕入を見直してコスト削減したりするために、下位の売上額を把握し、中位から上位を目指してお店を運営していきます。

参考として、小さなカフェの簡易事業計画書の例を示します。

簡易事業計画書の例を見る

物件を探す

お店のコンセプトを決め、簡易的な事業計画書を作成したら、コンセプトと計画に合う物件探しを進めます。 物件選びは、お店の成否に大きく影響するため、慎重に検討し決定します。 物件選びのポイントは、次の通りです。
  • ターゲットとする客層の人がいるか
  • お店を見つけてもらえる場所か
  • 家賃は払い続けられる範囲内か
  • 周囲の競合店の有無と繁盛しているか
物件選びでは、実際に、現地に足を運び、立地の確認や商圏調査をしっかりと行ったうえで、いくつかの候補物件の中から比較検討して、物件を決定します。
物件を探す場合は、当サイトが提供する浦添市空き店舗・事務所検索サービスをご利用下さい。
また、出店地を検討するにあたっては浦添市各エリアの統計情報を提供するデータで見る浦添サービスもご活用下さい。
Check! データで見る浦添
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参考となる繁盛店を調査する

物件探しと並行して、精緻な事業計画書作りの準備を進めます。
前のステップで作成した簡易事業計画書では、ご自身の経験などから大凡の予測を立てながら計画づくりをしますが、この後のステップで作成する事業計画では、根拠となるデータをもとに出来る限り精緻に売上や経費を積み上げていきます。
そのために、繁盛店の調査は欠かせません。
調査では、事業計画書の裏付けとなるデータを収集することを目的に、開業するお店のコンセプトに近い繁盛店を3~5軒ほど回り、次の6つの項目についてデータを収集します。
  • 客席数
  • 単位時間あたりの客数、年齢層、男女比率など
  • 客単価
  • 従業員数
  • メニュー構成、価格設定
  • 店舗前の通行量

事業計画書を作成する

物件がほぼ確定し、繁盛店の調査も済んだら、物件選びの際に行った商圏調査のデータと、繁盛店調査で収集したデータを、簡易事業計画書に反映し、精緻な事業計画書を作成します。
事業計画書は、金融機関の融資担当者や補助金・助成金の審査担当者が、資金を提供する際に「採算が取れて返済が出来るか?」や「将来性があるか?」といった視点で、妥当性を判断するための重要な書類となります。
また、開業後の経営目標の数値としても利用し、安定した事業運営にもつながる重要な計画になるので、根拠となるデータをもとに出来るだけ正確な数字で計画書を作成していきます。

融資の申込や助成金・補助金などの申請をする

開業に必要な資金は、出来る限り自分の預金や退職金など、自己資金のみで準備し借入をせずに開業するのが理想的です。
開業後、常連のお客様が付き、お店が軌道にのるまでには、やはり時間がかかります。
開業資金を借り入れると、お店が軌道にのる前に、借入金の返済で資金繰りが行きづまり、材料の仕入れや人件費、家賃の支払いが出来なくなる恐れが出てきます。
例えば、開業資金が1,000万円で、全額自己資金で確保し5年間で貯蓄すると想定した場合、年間200万円、月167,000円を蓄えることになります。
はじめの準備期間では、飲食業の経験を積むだけでなく、開業資金の目安を立て、着実に自己資金を貯蓄していくことが望まれます。
計画的な資金積み立ての姿勢は、金融機関などから融資を受ける際も個人の信用として金融機関の担当者へ与える印象に大きく影響してきます。
また、開業資金を借り入れる場合は、公的制度の利用、金融機関からの借り入れなどの方法があります。
一般的に、金融機関よりも公的制度を利用した借り入れの方が、金利や担保、保証、返済期間などについてハードルが低く設定されているので、
借り入れる場合は、まずは公的制度の利用を優先して検討していきます。借入金額は、返済計画に無理のない範囲で借り入れます。
具体的には「想定利益の50%+減価償却費」を1年間の返済額の上限として設定し、借入額を検討します。
融資や助成金・補助金の申し込みを行いたい方は、本サイトで提供している創業支援制度ページからお問い合わせ下さい。または創業相談窓口へご相談下さい。
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物件を契約する

事業計画書が完成したら無理なく払える家賃であることを確認し、物件の契約を行います。
一般的に飲食店の家賃は、売上の10%以内が理想的であると言われており、
一ヶ月で30日間営業する場合、家賃の目安としては3日間の売上と同等の金額となります。
また、その地域の1坪あたりの家賃の相場も確認し、相場と比べて高めに設定されている場合は、交渉してみることも検討します。
さらに、契約時に支払う保証金には、期間満了時に全額返却されない契約条件となっているものもありますので、その点についても注意深く確認し、返却されない保証金は家賃の一部として考えて検討します。

店づくりを行う

開業資金の準備の目途が立ったら、いよいよ店づくりを進めていきます。
店づくりは、店舗のコンセプトに合わせて、内外装を検討し、店内やキッチンの広さやレイアウトなどを決めていきます。
お客様は外観などからお店の印象を判断し、入店するかどうかを決定するので、外観は来店客を獲得する重要な要素です。
オープンカフェのように開放感を高くしたり、外から店内の様子や雰囲気が分かるように透視度を高くしたりすることで、入店のハードルを低くすることが出来ます。
また、店内のレジやテーブル、カウンターの配置はお客様や店員の動線を決定するだけでなく、店内の様子に十分に目を配れるかを左右し、お客様に対するサービスの質に影響を与えます。サービスの質は、お客様が再来店し常連客となってくれるかどうかの重要なポイントなので、十分に注意してレイアウトを決めていきます。
その他、インテリアや食器類、メニューなどを、コンセプトに合わせて決めていきます。メニューについては、材料の仕入れ先や一品ごとの原価なども考慮し、飽きの来ないようにバリエーションなども考えながら決めていきます。
店づくりにおいては、
  • 建築確認申請
  • 食品衛生責任者育成講座の受講
  • 営業許可申請
  • 保健所の立ち入り検査
など、法的に決められた手続きを進めていくことも必要ですので、施工業者や役所、商工会、商工会議所などの担当者とも相談しながら進めていきます。

開店

開店の準備が後半にさしかかったら、スタッフの人数を検討し、開店に備えます。
スタッフの人数は、営業時間や売上目標、店内の作業量などから必要な人数割り出し、人件費も考慮しながら決めていきます。
人件費には、
  • 給料や交通費
  • 社会保険料などの法定福利費
  • 福利厚生費
などを積算し、売上目標に対して25%から30%くらいを目安として検討します。
スタッフの募集は、正社員の場合は開店の3か月前、アルバイトの場合は1ヶ月前を目安に求人を開始し、開店の2,3週間前にはスタッフトレーニングを行って、開店に備えます。
求人の方法としては、
  • ハローワーク
  • 求人雑誌
  • 折り込み広告
  • インターネット
  • タウン誌

などへの掲載などが考えられ、求人にかかる予算は30万円から100万円ほどかかることもあります。
どんな人を採用したいのか、求人予算はいくらくらい準備出来るかを考慮しながら、求人方法を決定していきます。
スタッフのトレーニングは、お客様へのサービスの質に直結し、常連客を獲得できるかどうかの重要なポイントなので、ロールプレイングなども交えながら、接客術を習得してもらいます。
スタッフのトレーニングが済んだら、いよいよ開店です。
食材の仕入れの手配を行い、素晴らしい料理とサービスで、お客様へ素敵な時間を提供しましょう!


その他創業に関する相談があれば、お気軽に創業相談窓口へお問い合わせ下さい。